万歳楼袖彦『灸治論』(九州大学図書館蔵)に 「人仰ぎ寝るは無病なり。是船の順なり。亦うつぶき寝る人は、かならず病身なり。是船の覆らんとするが如し」とある。寝相をみてみるに、仰臥しているのは健康で、伏臥しているのは病気だという。
『論語』郷党篇には「 寢不尸」(寝るに尸(し)せず)、寝るときは、死体のような(仰向けで手足を伸ばした)寝方はしない、とある。
うつ伏せは病者の寝姿、あおむけは死者の寝姿、であるから良くないとは、両者とも「寝相」を言う。「寝相」とは、手相、家相などと同じように、寝姿で運命を判断することである。単なる寝姿という意味では無いようである。
それなりの身分の人は、寝るのにも制約があり、好きなように寝られなかったものと思われる。
健康的な寝方として、寝返りした方がよいと言われ、また抱き枕で横向きに寝る(日野原重明先生推奨)のもあり、好きなように寝るのが良いと思われる。
0 件のコメント:
コメントを投稿