2011年12月12日月曜日

平成の大校正(3)

故島田隆司先生が伝統鍼灸学会会長のとき、「伝統鍼灸大学構想」を立ち上げました(在任中に亡くなったのですが)。とても夢のある構想でした。先生亡き後は、その構想は霧消しました。大学を作るには相当な資金が必要ですから、誰しも、その後を継ぐ者は現れませんでした。その当時、九州国際大学の石田秀実先生も、エールを送ってくれていました。また、古典のデータ化を強く望んでいました。この平成の大校正は、石田先生の講演に発奮したものでもあります。
 今現在、古典データは大いに活用しています。研究がより速やかに進むという点で、将来も役立つものと信じています。ただし、あくまで道具の一つなので、最終的には自分の目で現物を確かめる作業を怠ってはなりません。
 伝統鍼灸大学は、ただ箱物を作っても、どのような教育にするのかを明らかにしない限りは、名前が伝統鍼灸大学というだけで、今までと同じ教育を踏襲するだけです。伝統鍼灸的な経穴学とはなんぞや、経脈学とは、診察学とは。このようなことを設立の前に煮詰めておかねばなりません。そういう意味では、これから10年、新しい教育を作るという目標をもつと、楽しみであります。
 在学中のみなさんは、どのような教育を望んでいますか?
 卒業したみなさんも、どうですか?
 今のままで、良いですか?

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